ビジネスウェルネス倶楽部Business Welness Club

管理職こそネゴシエーション力を高めよ!

 管理職に期待するのは、経営層ばかりではありません。誰よりも部下が一番「お願いしますよ、部長!」と期待しています。ただ、そのお願いの「中身」が大きく変わってきています。

 たとえば、「自分を育ててください」という漠然とした「甘え」のような期待を口にする若手社員もいます。最近、この傾向は強まっています。「育てて欲しい」というのは、「自分がなりたい自分になるために」「自分らしく仕事をするために」というメッセージ付きのようです。

 こんな「甘え」は許せない!と言いたいところですが、現実はそうばかりは言えないのです。ある企業のY部長はクライアントからの要望に対して、過去の実績モデルに工夫点をつけて、提案するようにと指示したそうです。「さほど、大掛かりな提案ではないだろう」と部下に話したそうです。

 ところが「えっ?!本当にそのレベルでよいのでしょうか?他社の提案は、コスト軽減ではなく、今は投資をしてでも自社用のAIロボット開発に進むべきだという内容だと思うのですが・・・・。当社はこの手の開発は「提携事業会社」とはいうものの、ほぼ丸投げの外注なので、情報量が他社よりも少ないのが現実です」と入社3年目の社員から言われたそうです。

 Y部長はクライアントから同じ話を聞いても、まったく次元の違うところに視点をもっている社員に驚いたそうです。何よりも、安直に数字を創ろうとした自分が恥ずかしくなったとのこと。そのときに、彼は素直に「面白いね。そのラインで提案準備をしよう」と言ったそうです。

 「ありがとうございます!やりたかったんです!ですが、提携している〇〇社との情報共有の質を上げるとなるとハードルがいくつもありそうですが・・・・」とすかさずに部下の一言が。

 「根回しは私の仕事だ。まかせなさい。まずは、どのレベルの情報を必要とするのかを具体的にまとめてくれ。それにより、社内を含めた交渉を始めるから」と。

 ビジネスの変化についていこうとすることよりも、新しい発想の芽をつぶさずに育てるのが自分の管理職としての「やりがいだ」と感じているそうです。

 ドラマで見ているような理想の上司が、本当に必要な時代になってきました。若手のビジネスマンには「仕組みづくり」の能力が強く求められる時代です。言われたことをちゃんとできるは80点の時代です。

 管理職には、その経験を活かしたネゴシエーション力を発揮してほしい。特に、社内への働きかけに強い上司であって欲しい。この2つが最近の管理職、上司への期待です。

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